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ペンギン・ハイウェイへ至る道

Twitterではすっかり小学生でない若おかみが大量に発生しているのだけれども、ペンギンハイウェイを最近見た。とても良かった。良かったので完全設定資料集を買ったのだった。

 

映画の感想は

 

 という感じだった。石井監督は言わずと知れた、「フミコの告白」で自主制作アニメ界に風穴を開けた人物だが、それに劣らない疾走感のあるシーン(担当は同じ方らしい)もあり長い尺でも飽きさせない映像作りもあり素晴らしい手腕だった。え?三十路なんです?わぁ。

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そしてあまりの映像パワーに気圧されて買った設定資料集だが、これもよかった。ほぼ全キャラデザ(このキャラデザの軽い感じがいい塩梅に作画の揺れを出していたと思っていて、お姉さんなんてパートで顔結構違うんだけどそれがいい)、美術設定(彩度が意外と高いのに画面が落ち着いてるのは監督の空間の捉え方の旨さかなーとか)、カラースクリプト、3D設定などが網羅されている。

個人的にこの作品は背景がすげぇ!と思っていて、狙い通り紙面の対談では監督と美術監督がべらべら話していて、作画と重い背景の組み合わせに苦心したとか『海』の内部は異常な設定量を準備したとか目からウロコがどぼどぼ落ちた。

 

なんだか乱文だがとにかくおすすめなのです。この作品を語る芯みたいなものが自分にはあまりないのか?と思っていてとにかく勝利を確信したのはお姉さんの部屋にアオヤマくんが来る一連のシーン。完全に原作のイメージに合致していた。あのシークエンスは結構不思議なところで森見作品の静のイメージとは少しずれているように感じていたのだけど、そこを完ぺきにとらえていた。あれはすごい。

あと森見登美彦は物語の最後に大量のものを出しがち。

 

 

【蛇足】

自分で観測していないのでなんともなのだけど、「おっぱい」という言葉が頻出するこの作品にフェミニズム活動家が一家言あった、という噂があった。冒頭に書いた「若おかみ~」に関してもそうだし今読んでいる「境界線上のホライゾン」にも同じような煙が立っていて活動家の鑑だなぁと感服している。

この作品に関して言うなら、「おっぱい」ひいては「お姉さん」はアオヤマ君の、世界の謎そのものとして扱われている。男児の謎としての表層的な女性性を話の核にまとわせた構造になっていると解釈したのだけど、このようなコンテクストに沿った物語の部品として女性を扱うというのにフェミニズム的なツッコミが入る社会なんだ現代!と嘆息した。はぁ。でもああいう活動家の人って本当に1日おきに噛み付く対象を替えているので、言及する価値がないと思っている。ネットでは言いっぱなしが一番強い。そこは見習いたいなぁ。