続けてもいいから嘘は歌わないで

同人作家の同人以外の雑記が主です

新星漫才選集を見に行った

 

これを見に行った。お笑いライブを見に行くのは磁石の単独公演に続き二度目のことになる。今回は合同ライブだったので色々な漫才が見られて良かった。

やはりテレビと生で見るのとは違うもので立体的な動きや客いじり、ハプニングなどさまざまな角度から芸人を見るのは新鮮な経験だった。

 

◯ゆにばーす

今回のお目当てその1。けっこうはらさんの動きがある漫才でなかなか見ない形のネタだったのでは。川瀬名人の言葉使いと言いかたはやはり面白い。

 

ダンビラムーチョ

掴みが二段階あったけれどどちらもお客さんを巻き込む形が良かった。名曲になる件は前半の盛り下がりを完全に巻き返していてしてやられたな〜という感じ。本ネタの方ももっとワードが放り込めそうでもっと面白くなりそう。

 

マヂカルラブリー

お目当てその2。掴みの「でっかい海老で〜す」が聞けただけでだいぶ満足した。そこからの営業っぽい流れもテレビじゃ見られない雰囲気。村上の仕切り感と野田クリスタルのキレのあるボケを見てると平場でもめちゃくちゃ面白い。本ネタもここであの手元で完結するネタをやることがまずおかしいのに、いまいち誰も理解出来ないネタで完走する力技も素晴らしい。最後の四天王のくだりめちゃくちゃ笑った。

 

東京ホテイソン

霜降り明星と同じラインなのであまりハマってなかった(霜降りも一昨年まではあまり……だったけど今年はピカイチだった)けど短歌のとこは完全にツボだった。これはボケ→理解を超えたツッコミ→追い説明ツッコミという新しい流れが確立すればM-1獲れるのでは?という可能性すら感じる。「字溢れ」「溢れすぎてもはやポエム」の流れや後半の「コボちゃんのオチ」なんて一瞬では理解させないワードチョイスがあまりに良い。

 

レイザーラモン

そーいやコンビだったね……という活躍の仕方をしているけど漫才は確かに漫才で、とことんくだらない地盤からどこまで話が飛んでいくのかという荒唐無稽な面白さがとても良かった。舞台の使い方も手馴れているというか、今回随一の華があるコンビだったなー、と。

◯インディアンス

今回笑ったネタ二位。

ほぼアドリブらしい感じでも、THE MANZAIプレマスターズの勝ち抜けをしただけはありバカスカウケていた。

俺はお笑い芸人に安易に「かわい〜」という人間が嫌いだけどこれは流石にかわい〜の域に入っていたと思う。「ツッコミがボケを好きすぎてツボに入る」という状態は割とあって、アンタッチャブルは漫才中舞台で笑いすぎて柴田が倒れたしハライチも岩井が会場を無視して同じ所をやり続けたりしている。そんな事が今回起こっていた。

田渕のキャラを「このキャラ俺好きなんすよ」と舞台で発表する木村というなんなんだよという状態だがそれで客が笑えば良いのだ。何気に最後の、センターマイクをホテルに見立てるという強引過ぎる流れも良かった。ネタ見てぇ〜。

 

ギャロップ

今回一番笑った。笑いすぎて記憶がないくらい笑ったと思う。M-1で奮わなかったのは緊張では……というくらいスムーズな導入。こんなにハゲを使い倒した8分があるのかというほどに「運動会に行くときハゲを隠す」という話が広がりまくる。イデオロギーのぶつかり合いという意味ではブラックマヨネーズもかくやという舌鋒鋭いボケとツッコミの応酬で「帽子で隠せばいい」「走ったら落ちるやろ」「じゃあ落ちない帽子使えや。水泳帽とか」「お前運動会に水泳帽被って行ってそのまま徒競走したら先生に『ここ陸上なんで』って言われるやろ!」なんて論理展開をされたら笑うしかないのだ。前がアドリブ満載だった分余計に完成された漫才が際立ったのか……これで単独やるんだからすげーよ。本当に面白かった。

 

とろサーモン

自分の不祥事をとことん笑いに変えていく久保田に「お前まだ喪中やぞ!!」という村田の今日一の叫びが刺さる。ひたすら脱線する漫才の核に「石焼き芋」という全員知ってるネタを配置して最後までギリギリを攻める話芸はやはり逸品。地味に久保田もやりたい放題している。「女帝」って言うな。

 

◯和牛

お笑いライブは割と女性が多いイメージだったけど今回のそんな層のほとんどは和牛を見に来ている……と紹介映像への黄色い叫びで実感した。だってライブ後ツイッター漁っても和牛の近況しか出てこないんだもん。そんな大人気漫才師はだいぶお疲れのようで噛むし声は掠れてるしなんだか大変そうだなという感想。でもしっかり漫才のフォーマットをいじったり(見えない事を使った強引な場面転換)最後の畳み掛けかたは流石というか盤石。未だに進化していると思うと今年悲願の優勝もあるなーという。

 

そんな感じで大変満足でした。今年はこっち方面にも手を出していきたいなー。