続けてもいいから嘘は歌わないで

同人作家の同人以外の雑記が主です

日記(3/1〜3/3)

仕事終わりの週末、職場でセリ鍋を食べた。セリと鶏肉と麩で構成された鍋をモリモリと食べ日本酒を飲んでいると「これが完璧……!」という気分になる。完璧なものは思ったよりこの世の中に沢山ある。職場の飲み会といって連想される社会的な会話はあまりなかったのも良かったのか酒が進み、帰宅したら即寝てしまった。

起床すると昼であり、ジムに行く日課は諦めることになった。新宿に行く用事があったので、車内の暇な時間に備えて駅の書店で森見登美彦の『熱帯』を買う。ハードカバーだったが、いわゆるオタク界で言われる1700円は大元へ払う金額としては安い部類だ。あまり読まなくなってから思うが本のコスパは尋常でない。序盤を読み進めつつ新宿へ向かい、コンタクトレンズの度を直した。割と待たされたので綺麗な女性の助手(歯科でいう歯科衛生士のポジションだろうか)を見ていた。目の周りを赤く縁取るメイクは物語性があって良い。

そのあと大学のOB同士の飲み会があったが、そこまで中途半端に時間が空いていたので眼科から喫茶店に向かった。薄暗い店内に置かれたがっしりとした木のカウンターで『熱帯』の続きを読む。氏はファンタジーノベル大賞でデビューしているので元々ファンタジーの人だけれども、そのファンタジーの筆致は年々進化していると感じる。『夜行』よりも自在に世界のトーンを操っているようでページを繰る手が止まらない。貪るように読みふける。ふと横を見ると青年が煙草をふかしながら金原ひとみを読んでいた。

そうして二時間ほど物語とアップルパイと珈琲を味わった後、母校近くの飲み屋でサークルの同期と酒を酌み交わした。当たり前に二時間遅刻してくる同期達は時間感覚以外は相応に歳をとっており、年齢にふさわしい話にあまり綺麗でない花が咲き誇ったという。

そんな中あっさりと終電を逃し、後輩の家に転がり込んだ挙句昔作ったアニメを見て見るに耐えない心持ちになった。二人して松屋の牛丼を食べているうちに寝落ち、朝を迎え震えながら帰宅した。寝床で奇妙な旅の夢を見た。

そして日曜の昼にのそのそと起き出し、原稿を進めたりした。

そんな週末。