ひさびさに帰りの電車でよく寝た。家に人がいなかったので、外食の気分になり最寄りの駅周りを自転車で乗り回してみた。
なにを食べようか思案しながら夜の街を走ると、気づかなかった変化に気づく。古本屋は串揚げ屋になり、中華屋は唐揚げ屋になり、パン屋はタピオカ屋になっていた。
長く住んでいる街にはぽこじゃか家が出来て随分と様相が変わったななんて思っていたけれど、その変化を正確には把握できていなかったらしい。本当に様変わりをしているのだ。
結果ラーメンを食べて帰っていると、通りがかった公園で夏祭りをやっていた。地域の名前を織り込んだ音頭をヤグラで踊る人々の影は唯一覚えている記憶と一致するものだった。
しかし、その祭りにも屋台がほぼなく、自治体が飲み物を売っているのみになっていた。テキ屋が摘発されたのが響いているのだろうか。
時代に取り残されないように自転車を踏む足に力を込め、帰った。