続けてもいいから嘘は歌わないで

同人作家の同人以外の雑記が主です

FRENZ2019お疲れさまでした(作品制作編)

作品の解説をします。

壇上で話したこと含め、制作の流れとかを。なぜなら俺が書くことで他のみんなが描いてくれるかも知れないから…

まず作品はこちら↓

www.nicovideo.jp

 

○制作のきっかけ

やるかーやるしかないかー

○作品コンセプト

まずSFという題材ありきで考えていました。

なぜSFか。それはSFにどんハマりしたからです。飛浩隆は最高。

まぁSFと一言に言っても様々あるので、影響を受けたものをいくつか挙げます(ここに特に確固たる信念があがらないのが二次創作者たる所以)

・音楽

IDOLM@STER「Miracle Night」「99Night」

いきなりアイマス。しかしこの2曲は出色の出来なんだよな…「夢じゃない!夢じゃないんだ!」「なんてスターライト 浮かぶハイライト」素敵!TakuInoueは神。特に「はりぼてみたいな宇宙船だけど どこまでもきっと連れて行くよ」という歌詞は話の原型になっています。言うほどハリボテっぽくならなかったが…。というかタイトルのSTARLINEも「黎明スターライン」から来てるし実質これはもうアイマスの二次創作。

・映像

ラブ・デス・ロボット

Netflixのロボットが出てくる短編集である。元々はスパイダーバースのスタッフが参加しているということで見たのだけど、それ以外の短編のクオリティも軒並み高かった。この中にSTARLINEと同じネタのものがあるが、これは偶然です(と言うよりロボものの王道と言えるので)

・その他

インポッシブル・アーキテクチャ

建築についての展覧会だが、全く作中で出て来ない惑星の設定について非常に参考にしている。セリフに出てくる「地殻フレームから給電中」みたいなセリフの元ネタとかになっています。

firstlot13.hatenablog.com

 

あと話のキモとして最初に「ヘリ(ドローン)に後ろから迫られるシーン」「メカ娘が破壊されているシーン」を設定して話を練っていきます。

 

○迷走

作り方がランダムに材料を用意してから練っていく方法なので、出力が異なるモノがバンバン出てきて迷走を重ねました(これが2月〜5月くらい)。メカと人間ネタなんて無限に組み合わせがあるので。例を挙げると『メカメイドと旧家のおぼっちゃまの主従成長モノ』『生まれつき翼が生えているが故に幽閉されている女の子を救いに行く幼馴染の男/女の子』『棄てられた空中都市を一本繋ぐレールを走る電車モノ』などなんだかヘンテコな話ばかり出てきてそれぞれが画力が足りなかったり元ネタが出過ぎていたりとボツになり、残ったのが『牢獄となった惑星から逃れる女囚人』の話でした。ここからは尺を詰める段階になり、元々囚人が他にも出てきてたのがボツ、そもそも生まれながらの囚人だった設定がボツと主に回想シーンをボツりまくりようやく五分に収まりそうになったのが最終バージョンでした。ここで6月です。最終バージョンが出たくらいでとりあえずFRENZに申し込みました。そしてこのへんで「褐色」「水色の髪」というキャラデザが降ってきました。ここで勝ちを確信した(勝ったとは言っていない)。

 

○作業

WORKINGエリアに入っていきます。まず個人制作なのでコンテを切らず好きなところから描き散らかします。そして全部没になりました。

なぜなら5分に収まらない!今回抽選になるのは見えてたので規約だけは守ろうと必死に時間を削りました。そして元々考えていたカブラギが穴に落ち、ロケットを発見するシーン、「よろしく!」からロケットが出来るまでの間のロケットをつくる回想シーンを削り、大体3シーンで全体がまとまりました。やったね。ここで1次提出です。許してくれ。

本当に制作については工夫も何もなくひたすら描くだけでした。aviutlのカスタムオブジェクトでかんたんに星空が動かせたのが便利でした。あとNASAのフリー素材アーカイブ超楽しい。ロケットの写真いっぱいある。

○終わり

ここは壇上でも言いましたが最後あおPに泣きついて音楽つけてもらってレンダリングしてもらって俺がD&Dでデータを提出しめでたくおひらきになりました。これで完成データがあおPの元にあることになり修正期間は無でした。

 

○当日

二日目の夜だったのですが一日目から割と緊張していて、特に二日目の開場前は一人バーガーキングで震えていました。

今回は一部と言う割と早い時間に流れたので、割と壇上でも落ち着いて話せていた気がします。どんぼこさんが気に入ってくれていたようでありがたかったです。あと地生さんが作品の無音状態をちゃんと把握していることにビビってしまった。前田地生許してくれ…。

あとは会場で声をかけてくれた方や声をかけて答えてくれた方々に感謝するのみです。いやほんと、動画のイベント一切顔を出さない人間なのでここでしか皆さんにお会いすることがなくそんな人間のこと忘れて当然だよな!と思うのにみんなとてもあったけぇ…うゆゆゆゆ…。キャラかわいいって感想が多くてよかったです。全く続きは未定だけど、なんかスターシステム的に使いやすい奴らではあるのでバッカーノ世界におけるアイザックとミリアのような使い方ができればな―と思っています(スターシステム好きなのでLOVEFRAMEにも過去作の人間出してる)。

毎年ここで思うのが会場の物語リテラシーの高さで、今回は特にシーンをボツりまくったので全てが伝わるか心配だったのにきちんと意味を汲み取ってくれていてとてもありがたいです。もっと練り込めるよう頑張ります。

特に「帰ってくるところが最高」そうそれ。帰ってこないと。「吹き出しが身体より前にぶっ壊れているのでまずそう叫んだってことですか」まさにそう。などの分かり手には舌を巻きました。

○ざっくりお話解説

かつてライフフレーム(立方体のフレームをつなぎ合わせ、その中に電気などのライフラインを通したもの。テラフォーミングの区画単位に使われ都市開発の基盤をなす)を使用したテラフォーミングに失敗し不毛の土地と化した惑星ルーニン。カタリーナ・カブラギは違法ハッカーとして異星間企業の情報流出の一端を担ったことで指名手配され逮捕。寿命を超える実質終身刑を告げられルーニンにやってきた。

そこでニータと名乗る女性とAT-Ⅱと名付けられたロボットと出会う。彼女らは地中のフレームを巧みに使いルーニンを脱出するロケットを作成していた。カブラギはそこに合流し、二人と一体でロケットを作り上げていく。

ロケットは完成し、彼女らがそこに乗り込もうとした時、監視用ドローンが一行を捉えた。ルーニンの極に埋め込まれた無人監視棟がロケットのエネルギー用に地殻フレームから充填されていた電気の流れを察知し差し向けたものだった。

なんやかんやで(ここは映像を見てくれ)ドローンを撃退したかに思われた彼女らだったが最後放たれたミサイルがニータを貫き、爆発する。そうしてロケットはAT-Ⅱとカブラギを載せたまま打ち上げられた。

ロケットで失意のカブラギ。その前に現れたのはモニターの中にいるニータだった。実はニータはAT-Ⅱ内に実装されたプログラム(AI)であり、カブラギが人間として接していたのはAT-ⅡがプログラムAI『ニータ』で動かしていた生体ディスプレイ型アンドロイドだったのだ。『ニータ』はルーニンで破壊されたがバックアップはAT-Ⅱの中で生きていた。

そうして一人と一体は宇宙へ飛び出していく…(完)

 

○感謝

今回の話は無論あおP氏の尽力がなければ無音状態で公開されていたことは事実なのでまず感謝を。そして呪詛を通話で受け止めてくれた友人共。実家の犬。ありがとう。また通話に顔は出さなかったけど同じ時間軸で作業していたFRENZ地獄ディスコードの皆さん。作品作りは無限の荒野を一人歩き続けるに等しいので、そこで姿は見えないけれどもたしかに同方向に歩き続ける同胞がいる!というのを感じさせてくれました。そのおかげで無事完成にこぎつけたと言っても過言ではない。またこの一年LPO以外で邂逅した動画製作者の皆さん。なぜかflash勢が多いけどこれも何かの縁です。また願わくば新作を見せ合い時には酒を飲んでいきましょう。また前作今作を会場で見てあまつさえ感想を言ってくれた皆さん。見てくれただけでも感謝感激なのに感想を言ってくれるとはいたれりつくせりです。みなさんに幸あれ。正しい行動を取る皆さんに祝福を!そして主催はじめFRENZスタッフの皆さん。みなさんのおかげでFRENZは形をなしています。またLPOで大いに泣き笑い拳を突き上げる瞬間を感じていきたい!Thanks for your frenzy!

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