ホラー映画を見てみたい。
と言いつつホラー映画を見たことがないわけではない。ただ体系的に見ているわけではなく「仄暗い水の底から」→「ミッドサマー」みたいな感じだ。飛び過ぎである。「CURE」も入れてもいいか?まぁそんなものだ。鑑賞総数はホラー映画好きという人たちの足元にも及ばないだろう。
ではなぜ見たいと思っているのか?
それはホラー映画の意味の無さが気になるからだ。
俺はホラー映画に倫理を期待しない。むしろ倫理を超えたもの(それが人に端を発するものならよりホラーっぽい。情念とか呪いとか)が日常に滲み出てくる情景を見たい。俺はホラーのテキストは読める方で(「残穢」は読んでないけど)時々読む。凄惨な事件のWikipediaとかも読んでしまうくちだ。そうするとそこには伏線も何もあったものではない圧倒的な暴力や人智を超えた力がいっぱい出てくる。むしろ因果応報なんてされると「ちょっと今のは倫理すぎる」なんて思ってしまう。倫理観の無い暴力が突然日常に露出することがある、というのがある種ホラーの教えなんじゃないかとも思っている。
だがホラー映画は驚かせの要素があり(血とかゴア描写はまぁ…人並み程度には耐えられる)それがちょっと困ってしまう。アリ・アスター作品はそういうのが弱いので見やすい。
つまりちょっとそういう社会的な倫理や意味からの逸脱を、ホラー映画が俺に与えてくれるのでは?と期待しているのだ。そういう意味で「マリグナント」は良かったなぁ。ネトフリでみんなぜひ見てみてくださいね。FODはどこに行っちゃったんだ。まぁいいか。