続けてもいいから嘘は歌わないで

同人作家の同人以外の雑記が主です

KAKUBARHYTHM 20years Anniversary Special Vol.10 Final に行く

カクバリズムのライブに行く。カクバリズムと言うのは音楽レーベルでとてもグッドなアーティストがたくさん所属しているのだ。俺は大沖先生からスカートを知り、カクバリズムを知った。そんなレーベルが東京でライブをするというのだから、行くしかない。

しかし立川というのは遠い。なのでおかえり東京キャンペーンを使い都内に前泊後泊して向かうことにした。

仕事帰り、アパホテルにチェックイン。アパホテルはどこもサービスが均一なのでついつい宿泊先に選んでしまう。チェックインしていたら、アパポイントがやたら貯まっておりそろそろキャッシュバックされることが判明。やったね。とりあえず夜飯にラーメンを食べ、オモコロを見て就寝。会社員のたまの泊まりの遊びなんてこんなもんだ。

 

翌日起床。実はおかえり東京のクーポンの存在を忘れており、手元に6000円が出現したけど使い道を考えていなかった。とりあえずライブに行きがてらビックカメラで使う宛を探すためにさっさと新宿へ。旧ビックロをちょろっと散策する。しかしどうもほしいものがない。正確には今のニーズにピッタリハマるものがない。モニターは欲しいけど、今じゃないな…とかKindle Unlimitedで予習した高評価の電動歯ブラシ売ってないな…とか悩んだ末にペンディングに。ライブ会場のある立川へ向かう。 

立川は遠いが全く来たことがないわけではなく、極爆でお馴染みシネマシティやよりもいでお馴染み極地研などオタクに優しい施設が多い。コトブキヤもあるし。とりあえず雨の中またビックサイトに寄り道しつつライブ会場ヘ。立川は来るたびに新しい建物が増えている。おしゃれ商業施設を抜けるとライブ会場があった。しかし雨だし人だかりがすごい。ライブの整理番号はかなり後半だったので、食料補給も兼ねてIKEAへ。IKEAと言うのはホットドッグ屋さんの傍ら家具もたくさん売っているナイスなお店だ。同じ業態にコストコというのもある(あながちコストコはこれが嘘とも言えず、ホットドッグの列が店舗を取り囲むこともままある)。刑務所の飯のような簡素な包装のホットドッグを受け取りパクつきつつライブのタイムテーブルを見て予定を立てる。このライブは入退場自由なので、途中でお茶でもしばこうという魂胆だ。ざっくりスケジュールを決めていざ、と再度会場に向かうと人だかりはまだ解消されていなかった。どうやら入場がうまくさばけてないらしい(ライブ内でもお詫びがあった)。まぁ待っていると整理番号が呼ばれたので入場。そそくさとすでに始まっているライブヘ突入する。

全体的な感想を言うと、すごくいいイベントだった。何組ものアーティストが出演し、複数のステージがあるという小規模なフェスのような空間は初めてだったけどその空間に満ちるグルーヴというか、目の前で行われるステージ転換だったりサウンドチェックで1曲歌ってしまう感じだったりその間にDJブースから流れる曲やそれにノる人々、その話声、老若男女が動き回る客席…そのすべてが心地よかった。文化祭のような猥雑さがひいてはカクバリズムというレーベル自体の雰囲気を際立たせていた。さらに入退場自由というのも良かった。自分は一度中座したのだけど、再入場後ステージがまだ行われているのを見て自分がいないところでもステージが続いていて音楽が鳴っていたのだなという実感を強く得た。その日一日を通して音楽が鳴り続けているようなステキな休日を過ごせたな、と帰り道にも考えていた。ありがとう運営の皆様。以下は自分が見聞きしたステージの感想です。


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思い出野郎Aチーム

先に述べておくとこのブログのタイトル「続けてもいいから嘘は歌わないで」はこのアーティストの『週末はソウルバンド』という曲の歌詞から取ったものだ。特に熱狂的なファンと言うわけではないのだけどこの曲を聴いたときに「ホントに続けてもいいから嘘は歌わない方がいいな」と思ったからタイトルにした。このブログに嘘は一つもない。続いている以上は。そんな人間がライブに来て、そのドタマに『週末はソウルバンド』を聴いたという事。これは…エモーショナルだった。入場の関係で2曲しか聴けていないが、これと『ダンスには間に合う』を聴けてお釣りが来た気分だった。席につく余裕もなかったので後方腕振り上げ係りを全うしていた。素晴らしいオープニングアクトでした。

◎Homecomings

ライブに向けた予習で気になってたバンド。音源だと癒やし系のボーカルが良いなーと思ってた(くるりのコトコトことでんの方ね)けどライブで見ると重厚な音で気持ちよく横揺れ出来てよかった。割とアリーナの前の方で見られたのも良かった。自由席だから気づいたけど、俺はあまり前で前でライブを見るのをそこまで重要視してないのかもしれない。一列目とかだと…アーティストが人間すぎる!と思っちゃいそう。10列目くらいがちょうど良いような。

◎HeiTanaka

あまり予習してなかったけど、とても良かった。こういう楽しい、途中でシャボン玉が出てくるようなライブは好きだ。

◎スカート

お目当てその1。割と聴き込んでいったしYou Tubeの月光密造の夜も見たのでライブは初見ではなかったが、実際に生で見るとその歌声の優しさと裏腹に激しいギタープレイとストイックなセットリストに見事にやられてしまった。巨体が生み出す躍動感たるや。超良い。前日たまたま「昔の曲だしやらないかなー」と思いつつ聴いていた『CALL』『ストーリー』をやってくれて嬉しかった。というかリハの視界良好が既に良すぎる。MCのときの澤部さんの笑い声好きなんだよね。FIRSTTAKEでも聞けます。ワンマンライブも行きたいかも…

◎片想い

お目当てその2。直前でSpotifyの「This is カクバリズム」を聴いててハマった。こちらもリハで『踊る理由』をやっていて本番何やるんだと思ったら新曲だらけだった。振り付けかわいい。これは後方で見てたので、踊っていたら隣の女性グループがガチのファンらしく踊り狂っていた。こういうフェス形式のライブって初めてだったけど自分のあまり知らないアーティストで狂喜乱舞しているファンを見られるのはとても良い事ですね。幸あれ…

 

ここで途中離脱。おしゃれカフェでスコーンを食べる。まだ6000円の使い道を悩んでおりとりあえず本屋へ。いや、本屋で散財するのもアリか…?しかしアルペンでキャンプ用品というのも捨てがたい…あ、宮部みゆきのSF短編集出たんだ…今井哲也ユリイカ立ち読みしよ…などと普通に本屋を満喫。もう少し時間があったので、再びIKEAへ。ホットドッグとチキンを頂く。当然周りは家族連ればかりで、大小様々な大きさのツリーを抱えていた。クリスマスの気配を感じてほっこりする。

小腹を満たしたので、ライブ会場に戻る。キセルの最後を見届けて席についた。DJブースはすっかり出来上がっている人でいっぱいで、それが開け放された外の雨模様と相まっていい感じだ。

◎VIDEOTAPEMUSIC

事前に少し聴いていたが、自作の映像も映しながらのライブは面白い。そのVHSめいた映像から先日You Tubeで見たサカナクションのライブも想起したり。音と映像で酔えるような良いステージだった。

二階堂和美

弾き語りステージ。圧倒的な歌声で、『関白宣言』なんてその声で歌自体に新たな解釈を試みているようだった。

cero

お目当てその4。「世界で通用する自慢のバンドです」という社長の前口上通り素晴らしいパフォーマンスだった。音源のオフビートさを良い意味で払拭するような熱のこもった歌声。シームレスに繋がる曲間も良い。総立ちで踊りまくった。PMLSほんとええ曲。

◎ユアソン

圧巻のトリだった。また自分語りだが、昨年の今頃は業務に忙殺されており精神が死んでいた。その中でもちょうど勤労感謝にかこつけた連休でコテージに友人と宿泊する予定があったのだが、元々は4連休予定だった1日目を23時頃まで容赦ない仕事で潰されてしまった。へろへろで2日目に電車で一人茨城の山奥で向かう中『on』を聴いていたら、久しぶりの何も考えなくて良い時間と車窓から見える自然の佇まいと流れる音楽の良さに涙が一筋頬を伝った事を覚えている。あの瞬間音楽に心を救われたのだが、それから一年経ち同じ曲でライブで踊っているというのは俺にとってこの一年間の救済でもあったのだ。

二階席で見ていたので、アリーナの踊り狂う群衆を見下ろして踊るのは最高

最後は出演者全員の合唱で〆る構成も良い。途中紙コップと酒がステージで振る舞われるの、フィクションの構図で使いたい良さがある。

 

そしてライブが終わり、長い帰路についた。一日が音楽とともにある多幸感に包まれた一日だった。