続けてもいいから嘘は歌わないで

同人作家の同人以外の雑記が主です

人生で良かった時間三選

https://anond.hatelabo.jp/20230131223551

これが良かったので思い出される良かった時間を3つ書きます。

 

・島根の電車内

夏にサンライズ出雲で島根に行った。サンライズの終点は出雲大社駅なのだけど、手前の駅で降りて玉造温泉に入りに行った。玉造温泉は駅から20分くらい歩くところで、日光を遮るものの無い田園風景を、温泉のために汗かいて徒歩で往復する羽目になった。で、往復後出雲大社駅に向かう鈍行車中。2両建ての電車は学生たちでそこそこ混んでいた。自分の知らないイントネーションで話す学生の声をなんとなく聴きながら、冷房が効いた車内で汗だくの体を座席にうずめていると、急に旅情がわいてきた。夜行列車に乗って温泉に入った後の解放感もあったのかもしれない。外の日差しが車内の陰影をより濃くしている。車窓の向こうでまばゆい緑の風景が延々と流れていく。そういう風景がなんだかとてもいいものだと思え、終点までいい時間を過ごせた。途中駅で学生が下りて自転車で去っていく一部始終まで覚えている。

 

・春の宮島

春に宮島に行ったとき、ケーブルカーに乗るほどではなく階段でアクセスできる程度に上の方にある神社?に寄った。そこには1フロア板張りのスペースがあって、ちょっと目をやれば厳島神社とその対岸までもが見下ろせるようなロケーションだった。しばらく景色を見ながらぼーっとしていると海から吹き上げる風が心地よくてうつらうつらしてしまったくらいだった。島に咲く桜と青い海と空のコントラストがなんだか白飛び気味に感じられるような、穏やかを絵にかいたような空気だったことを覚えている。

 

・夜の江戸川

学生の頃、終電を逃したことがあった。行き場を失った友人と出した結論は『スカイツリーまで歩こう』だった。当時できたばっかりのスカイツリーは学生の興味対象だったし、大きい塔に向かっていれば着くというのは到着地として申し分ない。結果朝方まで歩いたわけだが、その道中はなんだか楽しかったなという記憶がある。夜通し歩くというのは初めての体験だったかもしれない。特に江戸川にかかる橋は風がビュンビュン吹いていて寒かった。それすらも楽しかった。朝になってスカイツリーの麓について、何もせず始発で帰った。朝焼けが照らす、さっきまでさんざ歩き通した行程を電車は数分で通過していった。