某日
スカート『炎のフリーライブ』に行く。TLで概要を見て速攻応募し、当選メールを見たら列番号2というスペシャルナンバーだった。ウキウキで仕事場を後にし代官山へ。代官山は何度来ても慣れない。列に並ぶも本人確認証をコインロッカーに入れっぱなしなことに入場寸前で気づく。泣く泣く駅まで戻り500円払って中身を出す。俺がコツコツコンビニで30円引きのパンを買った蓄積がこうしたことで消し飛んでいく。汗だくで列に戻ると入場がすでに始まっていた。あわてて入るとライブハウス内にコインロッカーがあり横転(オタク仕草)。まあ調べないのが悪い。俺はコインロッカーが無いことへの恐怖を常に抱えている。ライブエリアに入ると中には数人しかおらず番号の威力を感じる。ガラーンとしたライブエリア、新鮮。ビールを片手にど真ん中2列目に陣取る。パソコン音楽クラブのDJに身体を揺らすも結構賑わってきてもDJへの反応が薄いことに焦る。パ音だぜ?でも気づきとして俺は音楽を聴いた時身体が動く方のようだ。カラオケとかも絶対立って歌うしなんなら一人でカラオケに行ったら歌わずに身体を動かしている。座って歌って楽しいかよ!まあこれは傾向なんだろう…、と諦めながら身体を揺らしビールをちびちび。こういうライブハウスでいかにも知り合いが多い人を見ると『カルチャーがよ…』と思ってしまうが場所と見た目が違うだけで俺もビッグサイトで同じようなことをやっているし、俺もカルチャーなのかも。しかしカルチャーにおいて場所と見た目はかなり大事のでやはり俺はオタクカルチャーが限界のようだ。つらつらと考えているとRemixがかかり空気が熱くなり、スカートと澤部氏が現れる。
スカートのライブはカクバリズムのフェスで見たのが最初だった。曲の陰のある爽やかさと相反してライブはエネルギッシュでその巨体が躍動するさまを見てすっかりハマってしまったのだ。そのライブアクトはフリーライブでも全く変わらず、久々のライブ編成で奏でられる最新のものから定番まで抑えた音楽達はビリビリとライブハウスを揺らしていた。いやー本当に良かった。なんかちゃんとバンドのライブ見たな…!という満足感。音源で鳴ってるギターがそのままの音でなってる事実に空間の共有を感じる。俺は澤部氏の笑い声が好きなのだけど一人での物販宣伝はそれがたっぷり聞けて大変耳が幸せだった。あとゲストも豪華。特にPUNPEEは凄かった。出てきたときの佇まいと音に乗ったときの華やかさが段違い。これが一万人キャパを埋めるアーティストの力!と圧倒された。かっこよすぎる。もうこの距離でPUNPEE見ることないだろうな…。
ライブ後再びパソコン音楽クラブのDJで踊っていると友人から突然LINE。『北海道行かない?』と一言書かれた通知を見て我が事ながらドラマの冒頭のようだと思った。代官山のクラブで踊っててこの通知、なにかあるでしょ。
ひとしきり踊って物販へ。『SONGS』の初回盤を手にして帰る。渋谷の駅はいつもこわい。
某日
友人とライブの良さってどこで学ぶものなのだという話をする。冷静に生の音がいいという価値観はどこから来るのだろう。楽器を鳴らさない人がこの価値観を得ることって不思議だ。でも自分は学生時代に何気なく触れていた大学生の野外フュージョンバンドの演奏とかそういう何気ない接点からライブの良さを感じた気がしている。ちなみに楽器を奏でる友人はライブに縁がなく聞くと「いや、ライブってったってアンプかましてるから生音とは言えないでは…」とのこと。それなら俺が行ってるクラブDJなんてのは紛い物のパッチワークになっちゃうよ。俺がたまたま紛い物のパッチワークが好きだから良かったものの。