続けてもいいから嘘は歌わないで

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日記(Dior)


某日
Dior展に行った。これは結構ネットで話題になっており、ディオールが人の名前なのかもわからないオタクにとってもなかなか面白そうだったのでチケット戦争(つながっても15分待たされるとはね)を勝ち抜いた結果である。
ディオール展のチケットは開催地である東京都現代美術館の別展示も入れるものだったので現地についてからまずはそちらに行ってみた。久しぶりに見る現代美術の展示だったが、結構よかった。どうにも学がないので現代美術は基本解説を見てほへーというくらいなのだけどこのほへーは結構大事だ。現実でほへーとなるようなものを目にする機会はないので、めっちゃでかい炭になった丸太や、ヤギを犯す絵をヤギに食べさせる映像などは積極的に見たほうがいい。これは俺的な真実だ。
ほへーになったのでミュージアムショップをうろうろして(余談だがここのミュージアムショップは結構選書がいい。ミュージアムショップで夜通し本を読めるイベントがあったら参加したい)ディオール展に挑む。展示の前にディオール(個人名)の系譜がつづられているのだけどまずここで知らないことだらけだった。イブサンローランも個人名なんだ。知見を得つつ中へ。展示内容はとにかくファッションだ。ディオール(ブランド名を支えた名デザイナー(ディオール(個人名)を含む)達の作り出した服がスケッチとともにずらりと並んでいる。服に疎いオタクにも伝わるそのオーラ。そして展覧会はほぼ撮影自由。周囲にはバチっとファッションを決め込んだ男女が軒並み写真をバシャバシャと撮りまくっている。普段ネットで見ることのないタイプのオタクを目にするとこちらもエコバックを握るこぶしに力が入る(そんな服で来るんじゃない)。
とにかくファッションに疎いので服がどのような工程で作られるのか俺は知らなかったが、展覧会通して語られるディオールを取り巻く言説とその実物としての服飾を見ていると次第に高級ブランドの価値がわかって、いやわからされる感覚になってくる。この展覧会のすごいところはありあまる富パワーで一介のオタクにも自身のブランドの価値をぜったいにわからせる点だ。そして中盤、服のスケッチのような試作品を一斉に見せられるとそのあまりの手間暇にも魅せられてしまう。これから世に出るその真っ白な服は生地やモデルといったブランドの表面のきらびやかさがなくてもオンリーワンの価値を持っているように見える。この芯の強さがブランドの屋台骨なのだ。
なんて得心していると急に香水とバッグに殴られる。ディオールは服だけじゃないのだ!名だたる名監督を起用して作られるそれらのCMは美を美しく映す手腕がすごく延々に見ていられる。現在俺のYouTube閲覧履歴はディオールとグッチだらけです。最後には服と香水とバッグの展示が乱れ打ちとなる。個人的にはバッグが気になって、かなり遊んでいるように思えたからだ。
いや、このぐにゃぐにゃのやつとか氷漬けの奴はさすがにふざけてるでしょ。

氷漬けのカバン



展示を抜けると美術館の閉館時間間際だったのでそそくさと帰った。しかしこれが日中だったら帰りにDiorの店舗に乗り込んでしまったかもしれないくらい展示による影響は強かった。なんかこうこういう自分の知らない高級な世界を知れるっていいですよね。なので皆さんおすすめです。当日券を頑張って手に入れればまだいける