続けてもいいから嘘は歌わないで

同人作家の同人以外の雑記が主です

ふもとっぱらソロキャンプに行く

某日

友人からシングルバーナーを受け取る。謎のタコス屋でごはん。
帰ってから積み込める荷物は車に積み込んでおく。


4/14
起床。眠いがレッドブルを流し込み車に乗り込む。無事カーステとスマホがつながったので音楽を流しつつ温泉を目指す。途中尿意がすごすぎて焦ったがなんとかSAで対処する。ドトールのコーヒーを飲んでちょっと休憩。旅行中のSAの時間は尊い。再度車に乗り込みGOGO。甲府盆地の縁辺りで高速を降りる。向かうはほったらかし温泉だ。市街地から坂をぐいぐい登りだだっ広い駐車場に車を停める。まだ午前中なので車は少ないが、人はちらほらいる。市街地から思ったより近いので普段使いしている人もいるのかも。敷地内には思い思いに建物が建っており動線がよくわからない。とりあえず温泉に向かう。
からりと露天風呂につながる戸を開けると甲府盆地が見下ろせた。日差しは強いが残念ながら富士山は見えず。日差し除けの笠をかぶってぬるめのお湯に身を浸すと、無限という言葉が頭に浮かぶ。隣にいる関西弁のグループが「これいつまでもいられるな」「出ようって言ったら負けな気がする」などと言っておりその通りだと思った。
環境音に包まれてしばしぼーっとする。と言いつつこれからキャンプなのでいいとこで切り上げ湯を上がる。人工芝の外気浴スペースで仁王立ちすると風が気持ちいい。これは確かにいい温泉体験だ。
帰り際に瓶の牛乳を飲み、車に乗り込む。熱された車内でふもとっぱらキャンプ場の住所をカーナビに打ち込みいざ出発。

市街地に降りてからまずはコメリでもろもろの調達品を買う。ペグから小さいしゃもじまでコメリにはすべてがある。
道を間違えたりしながら甲府盆地を南下。さらに途中でスーパーと百均が同じ敷地内にある顧客が求めていた場所に寄り食材をGET。ソロキャンでもついつい食材を買いすぎてしまうのは浮かれ気分のせいだ。浮かれなければレジャーじゃない。
ちょっと予定時間をオーバーしつつ精進湖ラインをぐねぐねと進む。途中一瞬森が開けると富士山がその全景を見せてきた。チラ見せとは商売がうまい。サンプル動画商法だ。とりあえず前を見て運転。草原で草をはむ牛たちを横目にふもとっぱらキャンプ場に着く。

富士山の全景


二年前よりもテントの数が多い。チェックインして適当なところに車を停める。目の前には快晴とはいかないが青空と富士山の全貌がそびえていた。何とか見えて良かった。
で、設営。一人で行う設営は結構大変だ。道具をがちゃがちゃ運び出しているとロープがないことに気づく。テントは持参していないので、設営は実質タープと椅子のみのつもりだったが、タープは特にロープの張力が必要なギアなので設営はあきらめる。もう椅子と机とチャコスタだけでいく。ワイはキャンピングミニマリストや。
椅子に腰かけさっそく本を読む。スマホ機内モードにし本に没頭する。
周囲には様々な構成のキャンパーがおり、各々わいわいしている。特にこういう野原のサイトで思うことだけどキャンプの良い点はそれぞれがむき出しの生活を適度な節度で行っていることだと思う(節度が乱れるとトラブルになるけど)。生活はあくまで内向きのものなので、物理的な距離が近くても過度に外部に干渉しない出来事だ。かつ生活はそれぞれが尊いものなので、
人数の多い少ないに価値が左右されない。10人のグルキャンも1人のソロキャンも等しく”良い”。"良い"ものは見ていると"良い"のでよよいのよいですね。よかったです。
15時を過ぎ、吹き降ろす風が冷たくなってきたのでたき火を燃し始める。
火を熾すと急にキャンプ感が出てきた。もちろん焚火は楽しいし見飽きないが別の作用もあるんじゃないかと思う。火はコントロールが効かない。目を離すとすぐ消えたり燃え盛ったりする。そういう人為的でないものが中心にあることで、キャンプは自分で作り上げるが自分だけでは作れない営みとなりのどかな緊張感がそこに発生する。そういう緊張感がキャンプの醍醐味でもあると思う。

火は制御できない


焚火にアルミホイルで巻いたジャガイモを放り込み、30分ほど待つ。その間に湯をシングルバーナーで沸かしスープを作る。
あちあちのジャガイモにバターをひとかけ塗り、スープとともに食べると「もうこれでいいじゃん」という気持ちになる。いいよこれで。
独り得心している間にも日は傾いていく。周囲のテントでは夕餉の支度が始まり、ワンポールテントの鋭角なシルエットから突き出る煙突から煙が上がっているところもある。そっちがその気ならこちらも打つ手がある。ランタンスタンドを立てランタンをひっかけ、料理の準備だ。

火の仕事が始まる


とりあえずクッカーに無洗米と水を入れ火にかける。炊飯は大体40分くらいでできる目算なので、その間にカレーを用意する。
取り出すのはレトルトカレーとトマトとミックスビーンズ缶だ。トマトを雑に切り、すべてをクッカーにくたに入れシングルバーナーで熱していく。

カレーが溶け出す


クッカーの中で、ペーストと各種スパイスがホールで入っているカレーが、野菜の水分で溶かし込まれる。それはそうといい頃合いなので火からおろし蒸らしていた炊飯クッカーを開ける。はい。米ができました。勝ちです。
ダメ押しにカレーを熱して火を止める。ほかほかご飯にカレーをかけ、いただきます。うおーむしゃむしゃ。これはビールですね。クーラーボックスからプレモルを取り出す。二人分食らう。満腹。今日の予定はこれで全部終わりだ。あとは薪を燃やしつつジントニックを飲むだけ。
日は完全に落ちていて、周囲の山並みは夜に溶け込み真っ黒な空間になっている。周囲のテントも夕飯を終え、chillな空気が流れる。
焚火を見ているとこう、重大な決断や高尚な結論をリラックスした空気の中うまく一言にまとめまきゃみたいな気持ちにかられる。日常を離れてこそ日常で考えきれない大きな問題に答えを出すべきではないのか。そうして思考をクリアにして日々へ立ち向かっていくのが常道なんじゃないか。
しかしまとめるべき言葉もなく考えは安いパスタのように途中でぷつぷつと途切れ足元に思考未満の糸くずが散乱していく。

chill


これがマジのボーっとするということだ。マジのボーっをしながら『神々の頂』を読む。10時を回ったので車中泊すべく車中の整理。
そして翌朝の悪天候に備えてギアもすべてしまっていく。最終的にはすべてを片付け倒した後部座席に寝転がることになった。
テントの開放的な感じもいいが車中泊の決して快適でない狭いスペースも結構いい。体勢を二転三転させつつゆるゆると眠りに落ちた。

↓二日目

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