続けてもいいから嘘は歌わないで

同人作家の同人以外の雑記が主です

理解はできるけどそれだけだな

「ピザ屋の匂いって、全部他人が注文したものから香る匂いだと思うと、悔しいよな」と友人に言ったら「理解はできるけどそれだけだな」と言われた。全く持ってその通りだ。この言葉を発する時、自分は日本語のテクニックだけで言葉を作っていて、伝えたい想いとかそういうものがなかった。早いが話コミュニケーションとしてではなくポストとして言葉を投げていた。そういう言葉は誰からも受け止められずポトリと地面に落ちるだけだ。言葉はツールであり、そういったツールが適切に使われる様をコミュニケーションと人は言う。でもなんでコミュニケーション以下の言葉を吐いてしまったかというとやはり一人で喋っているからであって人と話さないといけないなと思わされる。一人で喋っていると言葉の組み立てのテクニックだけが磨かれて中身が空洞になっていく。SNSで飛び交うインプレッションを稼ぐ言葉のほとんどはテクニックであり、そこに内情は伴っていない。そういうテクニックだけで『若者の語彙力は少ない』みたいな事を言っているのは同じ穴のムジナで、語彙力だけあっても中身が空っぽな言葉はいくらでも作れるのだ。例として適切かはわからないが『保育園落ちた日本死ね』という言葉は昨今のテクニックだけ違った罵詈雑言風のあれそれに比べて圧倒的に力がある。内情が籠もった言葉だと自分は思う。

とにかく友達と話している時にこういった言葉を吐くのはやめようと誓ったのだった。この次発したのは『あの部屋の灯り、青すぎね?』だった。全然誓えてない。