続けてもいいから嘘は歌わないで

同人作家の同人以外の雑記が主です

耳障りの悪い言葉

私はひげが生える人間で、かつひげを剃るタイプの人間でもある。なので(できれば)毎晩ひげを剃っている(朝は時間がないから)。で、最近「T字カミソリはひげを剃るだけでなく皮膚を削っている」という文章を見た。あらやだ怖い。こわいけど、本当にそうか?という気持ちにもなる。私はひげの専門家ではないのでカミソリの実態はわからない。しかしわからないなりに『皮膚が削れている』という言葉には怖いと思う。こういう「耳障りの悪い」言葉には気を付けたほうがいい。
耳障りといえば、耳障りの良い言葉のほうが通常危ないとされる。うまい話には裏があるってやつだ。耳障りが良い言葉とは「モテまくり勝ちまくり」とか「利回り30%」とかです。こういう嘘のポジティブワードはそのポジティブさに惹かれた人間の判断力の甘さに付け込んできて、対価をごっそり持っていく傾向がある。
では耳障りの悪い言葉の目的はなんだろう?それは不安の醸造だ。不安はニーズに転化する。ニーズは商売のタネである。結果的に付け込んでくるという意味では耳障りの良い言葉と同じだが、不安はなんとなくの感情というのがいやらしい。
例えばAという金融商品を売りたいとき、耳障りよく「この商品は利回り30%です」と言えばいえーいと買う人はいる。しかしこの欠点はあからさまなウソをついてしまっていることだ。これだと裁判とかですぐ負けてしまう。
これを「今の日本はお先真っ暗で…資産もどんどん課税されるし…タンス預金なんて意味ないですよ…」という耳障りの悪い言葉に置き換える。すると聞いた人はなんとなく不安を覚えて救われようとする。そこにAがあれば人はそれにすがるだろう。これのいい点はあくまでAを人が買うのは自発的な行動で自己責任だという点だ。
最初の例でいえば「削れる」とかはなんとなく生理的に耳障りの悪い言葉だ。が、生理的に嫌なだけで言っている意味はよくわからない。そういう言葉には気を付けたほうがいい。そういう言葉を使う人は言葉の使い方がうまいだけで心がこもっていない。気をつけましょうねというお話でした(尻切れトンボだな~)。