続けてもいいから嘘は歌わないで

同人作家の同人以外の雑記が主です

いかにして作業中に爆笑をするようになったか(もしくはハライチのターン!のダイレクトマーケティング)

部屋にいる間常に何かを聴いている人間なので作業中に何を聴くかというのは至上命題になる。幸い音楽業界はストリーミングに舵を切っており聖徳太子が10000年生きても聴ききれないコンテンツに容易に手を伸ばすことが出来る中、ここ一年芸人のラジオを聴くことが増えた。

 

そもそも作業中に人の話を聞くというのは昔からやっていて、主にニコ生を聴きあさる事でその欲求を満たしていた。しかしここでネックになるのが「アクティブにニコ生してる人女性多い問題」だ。アクティブというのはある程度コメントが付いている放送のことであり、コメントがない放送は無言のそれになる事が多く作業には向かない。そしてコメントが付くような人は大抵女性なのだ。別に闇が深いとかではなく単純に私は女性の話だけを延々聴くのが苦手である。それが複数ならなおさら苦手で、そのような放送は避けるようにしていた。

結果作業中に聞くのはおじさんが一人で置き引きされた話をするようなコメントもつかないニコ生だったし、それはそれで捗るのだけど当たり外れが異様に大きいのが問題だった。そのムラを埋めるために様々なニコ生を聴きあさり、たどり着いたのは芸人のラジオだったのだ。

 

何故声優でもなく普通のパーソナリティでもなく芸人なのか。それは芸人は大抵おじさんであり、しかも面白いおじさんだからだ。

(一つ、てさぐれ!部活もののラジオだけは声優ラジオでも聴いていた。何故かはわからない。その中でもプルンプルン以下略の荻野可鈴上坂すみれ回は異世界交流モノとしてE.T.に並ぶ傑作であり会話劇としても比類なき完成度を誇っている)

そんな面白いおじさんのラジオの中で最も聴いているのが、『ハライチのターン』だ。

 

1年ほど前『ターン』の話題がワッと増えたような気がする。そのきっかけになったのはこの動画だ。ハライチ岩井 フリートーク集 - YouTube

この動画のハライチ岩井の語りはどれも素晴らしい。ひたすら地味な日常がいきなり不条理なファンタジックに飛躍する会話はまさしくハライチ漫才の根幹をなすものだろう(コントラバス、すぐ帰りたい、怪談バー、カルビ専用ご飯が好き)

ここからログを聴きあさり(なんかこれも5chの板で叩かれてたけど)時間軸に追いつきそうになると過去回を聴きなおし、ここ一年はハライチにハマりっぱなしである。最近なんとなくお笑いはワードセンスと大喜利力の比重が高まっている気がするけれど、このラジオで語られるなんの意味もない嘘とそれを突き詰めるディテール(あるある好きが故の)はお笑いの地力を見せつけていると思う。

(余談だけど個人的には小ネタを延々挟むネタが好き)

その意味のない話の翻訳作業を行なっているのが澤部の相槌で、普通の相槌の語彙とタイミングを図らせたら今最も脂が乗っているとも言える「普通」の相槌があるからこそ岩井の話が容易に脳裏に浮かび、笑えるのだ。それを思うとやはりハライチが二人いてよかったなぁ(誰?)(もっとも、澤部も割と岩井に乗らされたり影響されたりでどんどん嘘を吐くようになってきていて、岩手旅行時に最後楽屋で着替えてタクシーで帰ったとか、飼い犬をスラムダンクに例える件を延々やるとか時々壊れたりする)

 

と言うように一通り沼にハマってみて見えてきたのは周りの沼の豊富さだ。そもそも深夜ラジオにはオールナイトニッポンという聖域があり、そこだけでも膨大なアーカイブがある。さらにネットラジオという媒体を含めればその数は無限に近く作業には一向に困らない。これに触発されて最近お笑い熱が再燃しており、二月に人生2回目のお笑いライブのチケットも買ってしまった。今年は色々とお笑いの舞台も見てみたいなと思っている。

 

とりあえずハライチのターン!は是非聞いてみてほしい。聞けないのであれば文春で岩井がラジオでした話をエッセイに仕立てて今連載しているのでそっちを読んでみてもいい。おススメです。