続けてもいいから嘘は歌わないで

同人作家の同人以外の雑記が主です

本爆買いで気づいたこと

本屋爆買いの続きである。

firstlot13.hatenablog.com


この爆買いによっていくつか気づきを得た(胡乱な言葉だなぁ)ので書いておこう。
・欲しいものは忘れちゃう
何でも買っていいよ!と言われた時、本当に欲しいものは忘れてしまう。これは性格もあるのかもしれないが(たとえばふるさと納税とかカタログギフトとかが苦手だ)…いい!と思ったものはすぐブクマとかふぁぼとかしておいたほうがいい。気になる本が流れてきたらブクマ、気になる外食情報はグーグルマップでピン止め…人生は気になるものだけ見ていてはつまらないが気になるものだけ見ていると人生が足りなくなるのだ…ここまで書いて地元の図書館のお気に入り本を見返して4冊ほど予約申請してしまった。また時間が無くなっていく。
・タイトルで言い切る本多すぎ
改めて購入意欲を持って新書コーナーを見ると財テクとか自己啓発とかで言い切っている本が多すぎる。言い切ってる本って、なんかそれだけで購入意欲失せないですか?どうせそうなんでしょって思っちゃうしめくっても目次見ればわかっちゃうし。どうしても小説と同じ軸で考えてしまうけど、俺はまだなろう系のそういうタイトルにもなじめていない。ミステリなら「~館殺人事件」とか読みたいそういうお年頃なのだ。自己啓発はまだしも新書でそれやられるとうーんになってしまう。本読んでわかりたくないから本読んでるんだぜ、という思いを強く持っていきたい。まぁこの辺は流派が分かれるしインターネットでは無限に議論されていることなんであれなんですけど、そういう流派が多いのだな、と思った次第。
・自分の興味を抜け出すのは難しい
今回痛感したのがこのことだ。本屋は情報がすべて同列に並べられているので、いわゆるSNSのエコーチェンバーがかかりづらくそれが美点とされる。本屋には偶然の出会いがあるんだよなんて言われたりもする。しかしSNSヒューマンになってしまった現代の人間にはセルフエコーチェンバーがかかっており、自分の興味対象を外れた本は手に取ること自体が難しく感じてしまう。少なくとも自分はそう思った。広大な本屋において自分が行き来したのは漫画と美術書とSFと思想本のところだけだ。Twitterのbioに全部書ききれるくらいの興味範囲しか移動していない。もっと意味わかんない分野に手を出していけよ。TLじゃあないんだぞ。
でもいきなり医学書とか超ひも理論の本とかを手に取るのは難しい。結局これも無意識的になんとかパフォーマンスを気にしてしまっているんだろう。同時間で得られる知識は既知の範囲のそれの方が多いからだ。こういう傾向を年齢のせいにする動きもある(自分もすべての悩みをまず年齢に結びつける年になってきている)。でも今自分の傾向はそういう流れへのアナーキズムでありこういう状況を打開していきたい気持ちもある。
そうなると対抗策としては…レコメンドを追っていくことなのかもしれない。これが顕著なのは音楽だ。好きな歌手が作っているプレイリストを追っていくことが聞く音楽の幅を広げる一番の近道だと最近は思うようになった。そうなると好きなジャンルばっかり聞いちゃうんじゃないと思うけどそんな簡単なものではなく、人の興味はどこかで必ず拡散する。隣の沼から隣の沼へ沼のツイスターゲームが始まっていく。そういう接し方を本、映像その他コンテンツに対してもするべきなんだろう。いや、べきってことはないけど今の自分はそういうことをしたいモードなんだと意識することが大事なのだ。デオキシスのように複数のモードを使いこなせる人間になろう。

本屋で爆買いする

一時間で6000円。どう思うだろうか?安いとか高いとか色々なことが考えられる。しかしこの場合6000円は深さとも考えられる。本屋の目の前で握りしめる金額として考えれば。

宿泊時のキャンペーンにより6000円のクーポンが授けられたので、その使い道を2日のうちに考えなければならなかった。結果、一番興奮することとして本屋で爆買いする、ということになった。これを爆買いと呼ぶかは人によるが…しがない社会人にしてみてたらこれは爆買いである。なにしろ本屋にあるものの単価で考えれば、買えないものはほぼないのだから。

omocoro.jp

あとこれ面白かったので。真似をします。


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爆買いの舞台は八重洲ブックセンターだ。なにしろブックのセンターである。思いつく限りの本があるはずだ。まああと個人的に初めて本屋のパワーを実感した場所というのもあり思い出があるのだ。来年3月に閉店してしまう餞別という意味も込めて、お金を落としていこう。

意気揚々と入店しまずは最上階へ。最上階はコミックと美術書のコーナーだ。大好物が揃っている。まずは画集などの大型本をチェック。普段手を出さない分、入念に見ていく。篠房六郎のポージングの本や地球外少年少女の設定本なども魅力的だ。続けて映画コーナー。ここにスパイダーバースの設定本があれば即買いなのだが。意味わからん少量流通をやめろ。スペインで見かけたとき迷ったのだが…またインターステラーの設定本もある。SF映画フォント本やポスターまとめ本もいいな…と見ているうちに酔ってきた。ぐぅ。とりあえず階を移そう。文庫本コーナーへ。ここで早川の棚を見ていても何も変わらないのだが…ジャックグラス伝を探してみるもないし…などと言っているとあっという間に1時間が経過していた。あと1時間で閉店だ。

やるしかねぇ!と最上階に戻る。目当ては『ひゃくえむ新装版』と『ヒッツ』だ。見つけた方の『ヒッツ』をまず確保。

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次に文庫コーナー。Amazonで目をつけていた上田早夕里『魚舟・獣舟』を確保。SFだけど光文社だから味が違う。

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ここで予算の半分を使い切ったので評論・ノンフィクションコーナーへ。いつもと違う本を手に取ってみよう。なるだけタイトルが言い切りでない本を探す。タイトルで言い切っている本は即効性を重視している傾向があり、今の気分ではないからだ。國分功一郎Kindleでも積んでるし…ルワンダ銀行総裁の本は評判いいけどなー、アメリカ選挙ルポも味があって良さげだけど…。利他についての本も気になるな…と結局『人類と病』を購入。

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やはり近年の世界の関心事といえばこれだろう。俺はウイルスが何なのかも知らない。

残り時間が少ないので、1階に降りる。注目されている本があるはずなのでそこから最後の1冊を決めよう。あー、佐藤究の新刊出てる…と思いつつ選書の棚を見ていると気になる本があった。『他者の靴を履く』

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この他者の靴というワード、前に何処かで見たことがある。うまいいいかたするな~と思っていたのだけどもしかしたらこの本が元ネタかもしれない。

というわけでここでおしまい。会計をすると6111円だった。素晴らしい。

久しぶりに本屋をガッツリ巡ったが、やはり楽しい。本屋という場はある種のパワーを与えてくれる。

今回買った本も後で感想を書ければいいと思っている。

 

 

KAKUBARHYTHM 20years Anniversary Special Vol.10 Final に行く

カクバリズムのライブに行く。カクバリズムと言うのは音楽レーベルでとてもグッドなアーティストがたくさん所属しているのだ。俺は大沖先生からスカートを知り、カクバリズムを知った。そんなレーベルが東京でライブをするというのだから、行くしかない。

しかし立川というのは遠い。なのでおかえり東京キャンペーンを使い都内に前泊後泊して向かうことにした。

仕事帰り、アパホテルにチェックイン。アパホテルはどこもサービスが均一なのでついつい宿泊先に選んでしまう。チェックインしていたら、アパポイントがやたら貯まっておりそろそろキャッシュバックされることが判明。やったね。とりあえず夜飯にラーメンを食べ、オモコロを見て就寝。会社員のたまの泊まりの遊びなんてこんなもんだ。

 

翌日起床。実はおかえり東京のクーポンの存在を忘れており、手元に6000円が出現したけど使い道を考えていなかった。とりあえずライブに行きがてらビックカメラで使う宛を探すためにさっさと新宿へ。旧ビックロをちょろっと散策する。しかしどうもほしいものがない。正確には今のニーズにピッタリハマるものがない。モニターは欲しいけど、今じゃないな…とかKindle Unlimitedで予習した高評価の電動歯ブラシ売ってないな…とか悩んだ末にペンディングに。ライブ会場のある立川へ向かう。 

立川は遠いが全く来たことがないわけではなく、極爆でお馴染みシネマシティやよりもいでお馴染み極地研などオタクに優しい施設が多い。コトブキヤもあるし。とりあえず雨の中またビックサイトに寄り道しつつライブ会場ヘ。立川は来るたびに新しい建物が増えている。おしゃれ商業施設を抜けるとライブ会場があった。しかし雨だし人だかりがすごい。ライブの整理番号はかなり後半だったので、食料補給も兼ねてIKEAへ。IKEAと言うのはホットドッグ屋さんの傍ら家具もたくさん売っているナイスなお店だ。同じ業態にコストコというのもある(あながちコストコはこれが嘘とも言えず、ホットドッグの列が店舗を取り囲むこともままある)。刑務所の飯のような簡素な包装のホットドッグを受け取りパクつきつつライブのタイムテーブルを見て予定を立てる。このライブは入退場自由なので、途中でお茶でもしばこうという魂胆だ。ざっくりスケジュールを決めていざ、と再度会場に向かうと人だかりはまだ解消されていなかった。どうやら入場がうまくさばけてないらしい(ライブ内でもお詫びがあった)。まぁ待っていると整理番号が呼ばれたので入場。そそくさとすでに始まっているライブヘ突入する。

全体的な感想を言うと、すごくいいイベントだった。何組ものアーティストが出演し、複数のステージがあるという小規模なフェスのような空間は初めてだったけどその空間に満ちるグルーヴというか、目の前で行われるステージ転換だったりサウンドチェックで1曲歌ってしまう感じだったりその間にDJブースから流れる曲やそれにノる人々、その話声、老若男女が動き回る客席…そのすべてが心地よかった。文化祭のような猥雑さがひいてはカクバリズムというレーベル自体の雰囲気を際立たせていた。さらに入退場自由というのも良かった。自分は一度中座したのだけど、再入場後ステージがまだ行われているのを見て自分がいないところでもステージが続いていて音楽が鳴っていたのだなという実感を強く得た。その日一日を通して音楽が鳴り続けているようなステキな休日を過ごせたな、と帰り道にも考えていた。ありがとう運営の皆様。以下は自分が見聞きしたステージの感想です。


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思い出野郎Aチーム

先に述べておくとこのブログのタイトル「続けてもいいから嘘は歌わないで」はこのアーティストの『週末はソウルバンド』という曲の歌詞から取ったものだ。特に熱狂的なファンと言うわけではないのだけどこの曲を聴いたときに「ホントに続けてもいいから嘘は歌わない方がいいな」と思ったからタイトルにした。このブログに嘘は一つもない。続いている以上は。そんな人間がライブに来て、そのドタマに『週末はソウルバンド』を聴いたという事。これは…エモーショナルだった。入場の関係で2曲しか聴けていないが、これと『ダンスには間に合う』を聴けてお釣りが来た気分だった。席につく余裕もなかったので後方腕振り上げ係りを全うしていた。素晴らしいオープニングアクトでした。

◎Homecomings

ライブに向けた予習で気になってたバンド。音源だと癒やし系のボーカルが良いなーと思ってた(くるりのコトコトことでんの方ね)けどライブで見ると重厚な音で気持ちよく横揺れ出来てよかった。割とアリーナの前の方で見られたのも良かった。自由席だから気づいたけど、俺はあまり前で前でライブを見るのをそこまで重要視してないのかもしれない。一列目とかだと…アーティストが人間すぎる!と思っちゃいそう。10列目くらいがちょうど良いような。

◎HeiTanaka

あまり予習してなかったけど、とても良かった。こういう楽しい、途中でシャボン玉が出てくるようなライブは好きだ。

◎スカート

お目当てその1。割と聴き込んでいったしYou Tubeの月光密造の夜も見たのでライブは初見ではなかったが、実際に生で見るとその歌声の優しさと裏腹に激しいギタープレイとストイックなセットリストに見事にやられてしまった。巨体が生み出す躍動感たるや。超良い。前日たまたま「昔の曲だしやらないかなー」と思いつつ聴いていた『CALL』『ストーリー』をやってくれて嬉しかった。というかリハの視界良好が既に良すぎる。MCのときの澤部さんの笑い声好きなんだよね。FIRSTTAKEでも聞けます。ワンマンライブも行きたいかも…

◎片想い

お目当てその2。直前でSpotifyの「This is カクバリズム」を聴いててハマった。こちらもリハで『踊る理由』をやっていて本番何やるんだと思ったら新曲だらけだった。振り付けかわいい。これは後方で見てたので、踊っていたら隣の女性グループがガチのファンらしく踊り狂っていた。こういうフェス形式のライブって初めてだったけど自分のあまり知らないアーティストで狂喜乱舞しているファンを見られるのはとても良い事ですね。幸あれ…

 

ここで途中離脱。おしゃれカフェでスコーンを食べる。まだ6000円の使い道を悩んでおりとりあえず本屋へ。いや、本屋で散財するのもアリか…?しかしアルペンでキャンプ用品というのも捨てがたい…あ、宮部みゆきのSF短編集出たんだ…今井哲也ユリイカ立ち読みしよ…などと普通に本屋を満喫。もう少し時間があったので、再びIKEAへ。ホットドッグとチキンを頂く。当然周りは家族連ればかりで、大小様々な大きさのツリーを抱えていた。クリスマスの気配を感じてほっこりする。

小腹を満たしたので、ライブ会場に戻る。キセルの最後を見届けて席についた。DJブースはすっかり出来上がっている人でいっぱいで、それが開け放された外の雨模様と相まっていい感じだ。

◎VIDEOTAPEMUSIC

事前に少し聴いていたが、自作の映像も映しながらのライブは面白い。そのVHSめいた映像から先日You Tubeで見たサカナクションのライブも想起したり。音と映像で酔えるような良いステージだった。

二階堂和美

弾き語りステージ。圧倒的な歌声で、『関白宣言』なんてその声で歌自体に新たな解釈を試みているようだった。

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お目当てその4。「世界で通用する自慢のバンドです」という社長の前口上通り素晴らしいパフォーマンスだった。音源のオフビートさを良い意味で払拭するような熱のこもった歌声。シームレスに繋がる曲間も良い。総立ちで踊りまくった。PMLSほんとええ曲。

◎ユアソン

圧巻のトリだった。また自分語りだが、昨年の今頃は業務に忙殺されており精神が死んでいた。その中でもちょうど勤労感謝にかこつけた連休でコテージに友人と宿泊する予定があったのだが、元々は4連休予定だった1日目を23時頃まで容赦ない仕事で潰されてしまった。へろへろで2日目に電車で一人茨城の山奥で向かう中『on』を聴いていたら、久しぶりの何も考えなくて良い時間と車窓から見える自然の佇まいと流れる音楽の良さに涙が一筋頬を伝った事を覚えている。あの瞬間音楽に心を救われたのだが、それから一年経ち同じ曲でライブで踊っているというのは俺にとってこの一年間の救済でもあったのだ。

二階席で見ていたので、アリーナの踊り狂う群衆を見下ろして踊るのは最高

最後は出演者全員の合唱で〆る構成も良い。途中紙コップと酒がステージで振る舞われるの、フィクションの構図で使いたい良さがある。

 

そしてライブが終わり、長い帰路についた。一日が音楽とともにある多幸感に包まれた一日だった。

オン・オフの分け方

仕事とプライベートを分けたい性質だ。例えば仕事で写真を撮るときは支給されているスマホでしか撮らないし、zoomアカウントも個人スマホでは認証していない。ワイシャツや靴など身に着けるものも一緒にしたくない。最近インナーダウンを手に入れたが、これに『仕事にもプライベートにも』という売り文句がついていた。色も黒いしそうなんだろうけど、プライベートでしか着る意思はない。これは利便性を考えると良くなくて、特に女性はオフィスカジュアルなんてものもありオンオフ問わず着れる服の方がいいだろう。着回しというやつだ。オンオフを兼ねる服を持っておけば服飾代が節約できる。

ではなぜそういう節約術を無視しているのか。これは…気分的なものが大きい。

https://anond.hatelabo.jp/20221026220603

 

ちょうどこういう文章を見て「職場の穢れた空気」という言葉に笑ってしまったのだけど自分の考えもこれに近い。職場と自分のプライベートはできるだけ話しておきたいのだ。空気という言葉があいまいならモードでもいい(それもあいまいだろうが)。そして服にのみならず、性格や態度もオンオフでは異なる自覚がある。具体的に仕事上はこう、プライベートはこうという表現はできないが…正確というか思考回路とその表出方法が違うのだろう。例えば仕事上で決定する必要のある事柄にあいまいな態度をとるのはあまりよくないと個人的には思っている。出来ないならできないし、言われたことがわからなければわからんと言っておいた方がいい。これは護身術だ。でもプライベートでは必ずしもそうではなく、あいまいなままでいいこともたくさんある。こう書いておいてなんだけどこれって人間として当たり前のような気もする。みんな無意識にこれくらいのことはやっているだろう。平野啓一郎がいう「分人」もこういうことだった…と思う。話は戻って、そういう判断が具象化しているのが冒頭の服の話なのだ。

と、いうのも明日出社からイベントというハシゴがあり来ていく服の準備を迷っている。無駄な迷いなのだけどあり

 

 

自分がダサいと思うものにダサいと言う

ダセェ~と思うことがある。転売とか。無料PCR検査場とか。保釈された漫画村の管理人とかのことだ。これらは総じてダセェし、これらを支持する言葉もダセェと思っている。
※文中の「ダセェ」はニューヨーク屋敷の「ダサ!」みたいな発音

前提として「ダセェ」という言葉を自分は社会規範と切り分けられた個人ベースの貶し言葉だと思っている。ダサいことに理由や対抗策はない。「いや!理論的にこれがダサいわけがない!」なんて反論は成立しえない。イケてないからダサいのだ。ダサいものは俺から見てイケてない、シャバい、しょっぺぇ物事だ。

文頭にダサい例を3つ挙げたが、これらは総じて賛否両論あるものだと思う。転売を「経済学的には正しい」なんて言う人もいる。「倫理的にダメだ」という人もいる。ただ俺は今「ダサい」という念能力では作り得ないほど無敵の刀を手にしているのでこれらを一刀両断できる。「ダサいよ。だからやんない」
現代社会においてファクトフルネス仕草はマナーとされ意見を発する時には両論併記しないといけない習わしになっている。ただ両論を併記したとしてそれがなんだというんだろう?一般人の俺に出来るのはワードサーチの結果よくあるブログのように物事に関するツイートを2,3引用して「いかがでしたか?」と文末に書き添えるくらいだ。市井のSNSから抜き出した言葉を両論分集めてもそれらが同じ論点で交わされた言葉ではない以上併記して得られるものは少ない。先の転売の例で言えば「経済学」「倫理」2つの論点が食い違っており、それらをアウフヘーベンしてもゼルダの伝説BotWで言う焦げた料理が出来るだけだ。傾聴に値する言葉のレシピには到底到達しえない。
だったらもう、自分の感性で物事を言うしかない。その感性が「ダセェ」ということなのだ。これは発言ではなく放言だ。外側に向けた啓蒙ではなく自身の内側に向けた宣誓だ。ダサいと言ってしまった以上それに手を染めてダサい人間にはなりたくないから。
ただ放言してダサいことをやらないからと言って自分はイケているわけではないというのも自覚しなくてはならない。ただダサくないだけだ。自分がイケてると思って他人に啓蒙を始めたら…話が変わってくる。啓蒙にはエビデンスが必要だ。ダサさは啓蒙ではなく自分との宣誓なのであくまで俺ルールである。俺ルールは他人に強制できない。また、俺ルールを俺ルールと自覚せずに他人に言い連ねたりするとそこに理論が必要になり不要な沼にハマっていってしまう可能性がある。自分のルールは自分の。他人のルールは他人のだ。
まぁつまり何かというと冒頭の3つを俺は何かにつけくさすだろうけどあんまり理詰めで殴らないでくれ、ということとでもそういうことが結局自分の思いを形作るんじゃないかとも思うってことだ。

日記(岡本太郎/タローマン)

起きる。最近夜すぐ寝てしまうようになって睡眠時間は増加している気がするがそれでもすっきり起きられない。そんなことは良くて。岡本太郎展に行く。
意気揚々と電車に乗ったところで気づくが、集合時間を1時間早く勘違いしていた。まぁ遅いよりはいいか…。半分寝ながら上野に向かう。
上野駅の公園口は改装されて改札から道を横断する必要がなくなっていた。人通り多いから構造上すぐ混雑するなと思っていたので嬉しい。その日もかなり人がいた。天気も良くて紅葉も進んでいる。1時間をどうつぶそうかと駅の上や上野公園内のスタバを見てみるも気が載らず、結局コンビニでおにぎりを買ってベンチで食べた。500円くらい浮いたとも考えられるが、おにぎりも値上がりしてるなぁ。140円くらいかかるし。日光があったかくてベンチも快適だった。来月の冨樫義博展の予約が解禁されたのですぐ行う。如実にサイトが重くなってたが希望の日程で予約が取れた。行くまでに幽遊白書読んどかないとな~。コンサート関係者らしき外国人とか上野動物園に向かう親子連れなんかを見ていると友人が駅に到着したので合流。岡本太郎展に向かう。美術館の中では複数の展覧会が行われており結構混んでいた。
岡本太郎は前々から結構好きで青山の記念館も川崎の美術館も行ったことがあった。なので今回の展覧会は新しいものを見ようというモチベよりもまた見直そうという気持ちの方が強かった。あと、そんな人間を展覧会に来させる巨人、タローマンである。
タローマンはNHKで放映されていた5分番組であり実はリアルタイムで追っていたわけではなかった。しかし多数のミームを作り出していることはTLからも伺えかつそのタイミングの展覧会ということもあり、展覧会の前日に視聴をしていた。タローマンは偽史であり私は偽史が好きなのでとても楽しめた。またストーリーも後半はヒーロー物の定石をことごとく外しており「べらぼう」「なんだこれは」というキーワードをうまく調理していたと思う。
で、そのタローマン効果なのか展覧会には子供連れも多くタローマンに出てきた絵やオブジェと写真を撮ったりしていて微笑ましかった。自分は知っている絵を他人が楽しんでる光景は見ていて気持ちがいい。岡本太郎展は物販もやけに充実していてちょこちょこ欲しい物を買った。満足して展覧会を見終わり昼ごはんを食べる。フォルクスでもりもりサラダバーを頂いた。揚げ物とか食べるのに覚悟がいるという話をする。サラダバーが進む。
それからNHK放送博物館に向かう。もちろんタローマン放映の本丸でおこなわれているタローマンの展示を見るためだ。放送博物館愛宕神社の脇にありなんだかすごく高所に位置している。不思議な地形だと思いながら坂を登り入場する。
放送博物館NHKの放送の歩みを紹介する常設展とタローマンのような企画展からなる。両方無料なのでありがたく見る。常設展もかなり魅力的だったが、そんな戦前からの放送の歩みの中にフッとタローマンが差し込まれるので笑ってしまう。タローマンの展示は劇中の小道具や設定上存在するタローマンの前番組の着ぐるみなどが展示されており、ちゃんと気をしっかり持たないと『懐かしいなー』という郷愁を抱いてしまう良い展示だった。さらっと当時のブラウン管にタローマンソーセージの広告が流れているあたりが本当に危ない。岡本太郎自身もNHKには出演しておりその台本があるあたり確信的に騙しに来ている。展示室にはかなりの人が集まっており、タローマンの人気が伺えた。

つつけばいいんだよ



タローマンの嘘に加担し終え夜飯。串かつのリクエストがあり目についた店に入る。思ったより小さい店でオーナーが一人でぶん回す店だった。予想とは違ったが、味は良かったしそこまで高くもなかった。リピがあり得る。その後は立ち飲みバーでウイスキーをやりながらアニメとソシャゲとインターネットの話をした。絵を描き始めた友人が絵上手友人に教えを請うていて、使っているクリスタの素材を色々見せてもらった。こんな素材があるんだなぁ。
久々に酔って電車帰宅。その後は同じメンバーでスプラフェスに興じた。

善光寺参る(長野旅行2日目)

朝6時過ぎに起きる。ビールのせいで朝早く目が覚めてしまった。仕方ないので温泉に入る。今日向かうのは善光寺だ。

善光寺の見どころは山門と本堂(という言い方が正しいかは知らない)だ。山門の仁王像は木彫りなのに豊かな表現が詰まっていてよかった。仲見世通りには朝10時なのに結構人がいて、七五三でおめかしした子供たちや社会科見学の小学生や修学旅行生の姿もあった。こういうの久しぶりに見る。やっぱり神社仏閣はこういう生活のハブになっている感じが好きだ。善光寺の本堂は東日本最大の国宝だとかで、実際に畳に座っていると迫力がある。何年に一回か納められている秘仏(のレプリカ)が御開帳されると説明がありへぇと思っていると、いつの間にか法事の説教に巻き込まれていた。他人の法事を後ろから見ていると、前にある垂れ幕が上がってなんだか霊験あらたかっぽいものが現れた。それ自体の価値は知らないけれどなんだかその幕の上がり方がコントっぽくて面白かった。明らかに人力で引っ張っている感じがいい。本堂のルートには胎内巡り(的なの)がありこれも面白い。本当に地下の窓もない空間に通されるので真の暗闇が体験できる。明らかに今から作ろうとすると何かしらの法律に引っかかる暗さなので、国宝でなければ許されないアトラクションがそこにはある。おすすめです。

山門



暗いところから出てきても時間は11時だ。とりあえず寒いしぜんざいを食べる。善光寺は見つくしたので、細い路地を抜けて長野電鉄の駅に向かう。途中宗教法人の名前が掲げられたラブホテルがあったので検索してみると、本当に宗教法人が経営しているものでしかも脱税のために宿泊料金は「お布施」とされていたということを知る。しょーもないことを考えるんだなぁ。それから地方独自のスーパーによくある雑な棚の並びを見て、長野電鉄に乗る。これは地下鉄で、電車を待っている間一人もいない地下鉄の駅で待たされる経験ができた。なかなかにいい。地下鉄の広告を見ているととにかく文字が多いことに気づく。都会の電車の広告はとにかく顔がデカいが、地方の広告は文字が多い。自己啓発本とか脱毛とかそういう広告がないと視界が静かだ。そして長野駅に戻りハンターハンターの新刊を買う。
ここでお土産タイム。クーポンがあるのでいろいろお土産を見てみる。結局買うのはおかしだけど、野沢菜とかクラフトビールとかも品ぞろえがいい。ヤッホーブルーイングは長野だったか?自分用に知らないクラフトビールを1本買ってみる。ついでにこれまたクーポンでホットドッグとおやきを購入。ホットドッグにははずれがない。鎌倉のホットドッグもおいしいです。
来た道を戻ってホテルへ帰る。なんだか疲れたし2時間ほど休憩。一人旅のこういう謎の隙間時間は尊い。それから千曲川を渡って昨日と違う公衆浴場に向かう。
戸倉上山田温泉は歓楽街でもあり、川向こうにはいろいろなパブやスナックが軒を連ねている。そういう写真をパシャパシャ撮り大量のおじさんと肩を並べて温泉を楽しむ。温泉上がりには牛乳を一杯。これまたうまい。

レトロな街並み



日も暮れかけて寒くなってきたのでホテルに戻る。ハンターハンターの新刊を読んでいるといい時間になったので、ご飯屋さんを探す。よさげなところがあったので言ってみると休業中だった。これだからグーグルマップは信用できない。結局道すがらにあった中華屋で麻婆豆腐定食を食べる。周りの人は車の話ばっかりしていた。オートバックスにも入ったことがない人間なので形見が狭い。
とっぷり暗くなった中をホテルへ帰る。国道沿いを歩いていると車はひっきりなしに通るものの歩行者は皆無だ。地方では珍しくない光景だがこういうことで自分の知らない地方があるのだなと実感する。自分はあまり旅先で人と話すことがない(海外でも国内でも一日に発する言葉の量はほぼ変わらない)がこういう状況が旅の思い出となる。肌は物事を記憶するという説や、ツイ廃は歩くのが好きという説は自分に当てはまっていて、とにかく歩くこと、移動することが旅の目的としてある。そして帰ってから暗い住宅街や学生でいっぱいの電車を旅情として思い出すのだ。
あとはホテルの温泉に入りクラフトビールを飲み(おいしかった)、寝た。

余裕をもって起床。朝風呂をし、帰り支度を整える。外に出るとかなり寒い。肉まんを食べながら震えてホームに立つ。電車で上田駅へ。上田駅国鉄っぽい外見だった。ここからはもう新幹線だ。ツインスターサイクロンランナウェイを読んでいるとあっという間に東京に着く。ぐ、人が多い。さらっとお仕事。そしてサウナ。ロウリュが気持ちよかった