続けてもいいから嘘は歌わないで

同人作家の同人以外の雑記が主です

FRENZ2022お疲れさまでした(作品制作編) #FRENZ_JP

FRENZ2022に作品を出展しました。その解説を書きます。大まかに壇上に話した内容に肉付けをする程度ですが書きます。なぜならこれを読んだ他の出展者の方々が同じような解説を書いてくれるかもしれないから。俺はそれが読みたいからです。

 

作品本編は下記にて公開しています

www.nicovideo.jp

 

○制作のきっかけ

音MAD、好きなんですよね。意味わからん作品が多くて。意味わからないのにそれなりに美学があり構成もあるのにメジャになっていない作品群が好きなんです。それらを見ているうちに作りたくなって作りました。

 

○制作の流れ

まず春頃しこたまaviutlを使うこととなり(友人の結婚式の動画制作)そこで動画制作の勘を取り戻しました。というかアニメノルマはそこで達成しました。

 

そして音MADどう作ろうかな~と考えているうちにMADにするやはり元ネタが欲しくなり、そういえばLive2dのライセンス買ってた(コジエちゃんを動かしたかった)し、これは流行りのVtuber音MAD、いけるか!?とここまでは割と簡単に決定。しかしMADはどうしても音声面の遊びも必要になるので、音声担当の新墨氏に連絡を取り5月にミーティングを行いました。

ミーティング時の板書

結構この時点で構成が決まっています。と言いつつ音声の元ネタがないのでまず音声録音の日程を定め、声担当諸氏にコンタクト。ゲーム配信や雑談の練習がてら色々事前に音声を集めます。そこまでに私はLive2dをぐりぐりいじっていました。

そして録音当日。声担当の方々にはブースで丸1日色々喋ってもらいました。本当にありがとうございます。

録音ブース。公共機関のこういうブースは安価で使いやすい

そして音声素材が手元に集まったのでMADに使えそうなやつを厳選します。それなりに短く要約できて聞こえがよく、生々しすぎない話を選んでそれらの構成をもう少し詰めます。

本編で利用した素材も板書されている

というのが7月くらい。ここから夏コミの原稿を片付け合同誌の編集をやっつけ、そのスキマで音声を組んでもらいそれをもとに映像を付けていきました。ここで難所にぶつかります。

○Live2d難しすぎる問題

難しすぎる。デフォーマとレイヤーで高可動域をつくる人意味わからん。でもやるしかないのでいろいろ諦めて形にしています。というか物理演算が書き出せず、あれどうすればいいの…

○音MAD難しすぎる問題

今まで見る専だったもので、作ろうとしてもさっぱり技法がわからない。あんまり体系的に作り方がまとまっていないジャンルなので超手探りでした。まずその辺の技法ってニコニコのブロマガ中心にまとまっているんですけど最近ブロマガ亡くなったのでもう終わりです(なおここで主要なアーカイブが見られて超助かりました)あと画面のアイデアがなさすぎて今までの癖ですぐ手描きして尺を埋めようとしてしまう。実際いくつかそれで埋めてるし…。いや、MGとか作ってる人のアイデアの引き出しどうなっているのか、謎です。でもやるしかないので見よう見まねで形にしました。

以下少し参考にした(かったけど無理だった)音MADを紹介します。

本間ひまわり「きいろぉぉぉぉぉおおおお!!!!」 - ニコニコ動画

映像も良いんですがストーリーもある音声中心の展開が抜群に良い。これクラブで聞いてぶち上がりたい。全く知らないキャラでも他人に見せられる映像になるという好例

DWUのお嬢様笑いパニック - ニコニコ動画

やりたかった画面構成は全部ここに詰まってます。1つの場面を執拗に繰り返す心地よさ

ロマンティックラッパー月ノ委員長 - ニコニコ動画

DISCO部分を完全に真似ている…あとリリックの出し方と動きが少ない素材の活かし方がすごく綺麗

Virus Funcookie☆ - ニコニコ動画

Vじゃないけど。映像がすごすぎ

気持ちのいい輿水 - ニコニコ動画

Vじゃないけど。映像すごすぎ

OTOMAD TRIBUTE - ニコニコ動画

Vじゃないけど。現時点での最高峰音MADだと思います。

…とまぁやっていると諸々が終わりました。良かったですね。よくない。制作は最終提出ギリギリまで引っ張りました。新墨氏も色々アイデア出してくれて助かりました。爆発伸ばしたのは最後の悪ノリです。

 

○上映当日

なんか、当日は意外と落ち着いていました。3年ぶりで現実味がなかっただけなのか。朝散髪してバタバタしてたので気が回らなかったのか。唯一心配してたのが、観客席の反応が鈍いことでした。あんまり声とか出しづらいし…ウケづらいと悲しいかな…と。しかしその心配は杞憂に終わりました。ピノキオピー×サイトウユウマさんのOPが良すぎて。初見で普通に声が出てしまったのでこういう場なら安心できると思えました。実際その心配は杞憂すぎました。

で、今回はウケ狙いというか軽めのストーリー物でもない動画だったので『ま、1~2部中盤でしょ!』とたかをくくっていたのですが…なんだかいつの間にか昼の部の最後の部開始!残る作品数はあと5作品!という状態に。

そんなわけないだろ

『やばいかも!』と思った矢先「コジエズさんでーす!」と呼ばれ一安心。なんとか致命傷で済みました。そそくさと移動し上映は会場最後部で見させていただきましたが、動画の緩急に沿って会場が反応してもらっており、作者冥利に尽きました(音MAD部が始まる『でけでけでけ…』の部分でウケていたときが一番ホッとした)。

壇上でも主催のお二人が、アマ映像作家の拙い話にフォローをいれてくださって嬉しかったです。いや、音MAD知らない人もいるものね…。「話の内容がそれっぽかった」という地生さんの言葉が密かに誇らしかったです。

 

○上映後

昼の部が終わってからたくさんの方がリアルでもTwitterでも「良かったよ~」「許諾を作っていて安心しました」など言ってくださり大変嬉しかったです。ですますじゃねぇ。まじでサンキュー!本当にありがとう!!!私はTwitterの自分の作品が言及されているツイートを全てふぁぼり圧縮して絞った汁を飲んで1年間を生き延びています!!!!動いてないのに暑いよ~とかコブラコラとか小ネタにも言及してもらって精神にうるおいが戻りました!!!!今でもまだ間に合います!感想をつぶやいて命を救おう!!

いや、真面目な話今回の作品は特に自分含め誰かを救うとかいう効能はないし、何なら表現でさえない部分もあります。最初に述べたようにエンタメ特化の意味の無さが重要なんです(もちろんそんな作品ばかりではダメでその末路は2日目深夜の部を見た方々ならご存知のはず)。でもそういう作品もFRENZの元でこう、出せる、いや、出せるのはそうなんだけど、そのコンテクストに載って放たれて、誰かの思いに反応できる、というのがFRENZの良いところなんだと思います。偽りなく書くと技術的には大したことはしていないです。中盤の参考動画のほうがよっぽどすごいです。でもそれでも、というそれでもの部分だけで私はやっているので、もしよかったら他の人の『それでも』も聞きたいです。よろしくです。

 

○おわりに

FRENZの他の出展者さんもばんばん今インターネッコに作品を上げています。澄ました顔したあの子も裏ではニコニコにFRENZの動画をあげてあまつさえYou Tubeでプレミア公開もしています。是非そんな作品にみんなで感想をつけて楽しみましょう!FRENZお家の部はここからだ!