続けてもいいから嘘は歌わないで

同人作家の同人以外の雑記が主です

日記(コミュニケーションの断絶です・エブリシングエブリウェアオールアットワンス)

某日

仕事帰りに池袋へ。向かう電車の中で『水中の哲学者たち』を読む。本の中で語られるエピソードに、席を譲るという行為に対して著者が『そもそも席に座らなければ譲るという行為は発生しない(≒席を譲ることはそういう行為を見せることだ)』と発言するくだりがある。それを聞いた教官は『それはコミュニケーションの断絶です!』と言ったというものがある。それを読んで、今までつけていたイヤホンをなんとなく外してみた。自分は屋外で一人のときかなりイヤホンをつけているがこれもコミュニケーションの断絶なのかもしれないと思ったのだ。

それから池袋の宿へチェックインする。道中には明日熱海へ行く女性、俺達にはジャニーズがいるもんなという男性、走ってシャッターに衝突する女性などがいた。こういうことにもイヤホンをつけていたら気づかなかっただろう。ひとっ風呂浴びて劇場へ。

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスを見る。グランドサンシャインのめちゃデカIMAXはやはりいい。こんなに行くなら会員になればよいのにスマホのバージョンのせいでなれないのだ。映画は面白かった。マルチバースを可能性と見て現代の閉塞感へ繋げる手腕ととにかく映像への耽溺、楽しい画面をめっちゃ作るから見てくれよな!という造り手の意図がビンビン響いてくるような映画だった。キー・ホイ・クァンに泣けてしまう。作中で若い娘がマルチバース性(可能性)に絶望しているのが現代だと思った。現代において若さは万能ではない…と当事者は見ている。そしてこの映画はマルチバースというでかい話が自らの居場所というミクロな話に落ち着くのが実に王道だ。多分この映画は家族というものをある種の連帯、私『たち』として描いている。個人主義による私でも、全体主義による世界でもない私たちという小さく相互に行われる承認の空間を俺達は探している。

宿でサウナに入り寝る。

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某日

起きて会社へ。仕事して勉強。この一ヶ月同じコワーキングスペースに通い続け55時間勉強をした。長短はおいておいてこのことで、家で勉強できないこと、いつも同じ場所に通い続けるのが良いこと、紙で勉強するのが良いことを学べたのは収穫だ。あとは結果が出れば良い。

東京駅KITTEの上の東京大学ミュージアムをチラ見する。骨格標本が豊富でアカデミックなミュージアム。こういうのがさらっと駅チカにあるのは嬉しい。帰って作業して寝る。